出産するにあたり、産院は東京都杉並区の東京衛生病院を選びました。
東京衛生病院は日本ではじめて無痛分娩を導入したキリスト教系の総合病院。24時間無痛分娩に対応しています。
ハイリスクの妊婦さんが他の産院からこちらに転院することも多いらしく、お産にかなり力を入れている病院です。
都内で無痛分娩を検討している方向けに、東京衛生病院での無痛分娩レポートを書いていきます。飽くまで2018年秋での情報となりますこと、ご了承の上ご覧ください。
分娩予約について
分娩予約は、以下の流れで行います。
- 他の産婦人科で胎嚢・心拍確認→出産予定日確定
- 東京衛生病院に分娩予約申し込み
- 東京衛生病院で初診→予約確定(ベッド確保)
電話で予約することはできず、実際に病院に行って各種書類を記入しないと予約できません。私は杉並区に親族がいるため、代理で予約をとってもらいました。
かなり人気の産院のため、妊娠6w~8wでかなりの枠が埋まってしまうようです。
ちなみに、こちらの病院は計画無痛分娩を得意としているため、基本的には計画分娩にするよう誘導されます。
初回の妊婦検診で計画分娩の日を決めるので、早めに妊婦検診を受けた方が良いです。
私の場合、東京衛生病院は居住地から遠かったので、妊婦検診は他のクリニックで受けていました。そのため衛生病院での初診がやや遅れた上、体格の問題(小柄)で37wでの出産を余儀なくされ、7wで予約したにも関わらず分娩日未定のままキャンセル待ちとなってしまいました。
キャンセル待ちとは言え、予定日の周辺で予約がとれることに間違いはないとのこと。私の分娩予定日が確定したのは、妊娠32wの頃でした。
妊婦検診について
まずは東京衛生病院の妊婦検診の特徴について。
- 検診費用は高め
- 待ち時間は長め
- 初診でベッド確保すれば、里帰り出産的なこともできる
私は妊婦検診は他のクリニックで行い、初診と32w以降の検診・分娩は東京衛生病院で行いました。里帰り出産のような感じです。基本的にこのスタイルは推奨していないようですが、不可能ではありません。
ただし、他のクリニックで検査した一部項目を、東京衛生病院でも独自に検査しなければならないというルールがあるらしく(例えば血液型検査など)、検診費を多めに取られる羽目になりました。
なお、東京衛生病院の検診費用はかなり高めです。
妊婦検診の待ち時間について
かなり長いです。予約した先生が緊急対応に入ってしまい、しばらく戻ってこないケースも。
最短で予約時間から1時間半、最長で5時間待ちました(笑)
5時間の時はさすがに助産師さんが謝罪に来てくれました。丸一日待つ覚悟で行った方がいいでしょう。
待ち時間が長いので、受付でキレてる妊婦さん、待ち時間長すぎだろとイライラしてる旦那さんを結構見かけました。
指導の方針について
体重や血圧など、かなり基準が厳しいようです。
私は幸い指導は受けなかったのですが、高血圧、体重の大幅な増加は管理入院になる可能性もあるとのこと。
計画無痛分娩レポート
本題の無痛分娩の流れをご紹介していきます。夕方入院、翌日出産の日程です。
入院当日
15:20 入院窓口にて受付完了
15:30 分娩準備室(陣痛室)へ。分娩着に着替え、検尿。
15:40 分娩監視装置を装着・血圧チェック・点滴ルート確保。点滴のルートは苦戦の末1回目失敗され、ベテランっぽい看護師さんが登場、2回目でスッと入れてくれる。あんまり痛くはない。(各種処置中、付き添いは待合室で待機)
16:00 硬膜外麻酔のチューブ?挿入のため、男性医師が来る。横向きで膝を抱えるように体を丸める。ちょっと痛くて、気持ち悪い程度。アレルギーのチェックのため、少量の麻酔を流すテスト。左右に5分ずつ横になる。
16:20 硬膜外麻酔のチューブを指した部分がうっ血したとかで、まさかのチューブ挿入やり直し。2回目は涙が出る程痛かった。
16:30 本格的に麻酔を入れる。下腹部など何か所かつねったり、アルコール綿で拭いたりして感覚がなくなっていることをチェック。
16:50 ミニメトロ挿入。押されている感じはするけど痛くはない。挿入後、軽い生理痛のような痛みがあったがすぐ遠のく。麻酔は2-3時間で切れるらしい。
17:40 夕食。食後に抗生物質的なものを出される。
19:30 麻酔が切れたので、看護師さんの付き添いでトイレへ。ミニメトロが入っているが痛くない。蒸しタオルを渡され体を拭く。
22:00 消灯。眠剤を出してもらい、就寝。
出産当日
05:00 起こされ、トイレ・洗面を済ませる。
05:45 なんかの点滴と促進剤、麻酔を開始。なお麻酔中は許可があるまで飲食禁止。点滴のおかげで喉の乾きはありませんでした。
07:00 ミニメトロを抜き、強制的に破水。麻酔が効いてるので痛くない。この時点で子宮口3cm。陣痛を感じることで子宮口が開くのが早まるため、5㎝開くまでは麻酔なし。痛すぎて我慢できなくなったらナースコールをして欲しいとのこと。
08:15 5分間隔で軽い生理痛のような痛み。まだ余裕。
11:30 5分おきにやや強い生理痛のような痛み。
12:00 2分おきに重い生理痛のような痛み。まだまだ余裕。助産師さんによる内診。子宮口はまだ3.5㎝…。
12:45 陣痛が一気に強くなる。内臓をつねりながら握りつぶされてる感じ。ナースコールして麻酔を入れてもらう。
13:00 麻酔が全く効かない。
13:15 麻酔追加するも、全く効かない。
13:30 2分ごとに、骨盤をハンマーでかち割られるような痛み。恐らく陣痛の中でもMAXに近い痛みだと思う。麻酔を更に追加して、やっと痛みが和らぐ。
14:00 助産師さんの内診。これだけ痛いのに、子宮口はまだ4㎝。1回麻酔切りますと言われ、絶望する。進捗が悪いので、日を跨ぐ可能性があると言われ2度絶望する。
15:00 麻酔が切れるのを怯えながら待つ。助産師さんの内診。「あれ、子宮口8㎝まで開いてます。麻酔入れましょう!」1時間で5㎝も開いてびっくり。
15:10 効きが悪いので、麻酔追加。軽い生理痛・いきみたい感じが出てくる。
16:00 助産師さん内診。子宮口全開。まだ赤ちゃんの位置が高いので、分娩は数時間待ちたいとのこと。
16:20 張りが強く、赤ちゃんの心拍が落ちる。深呼吸し酸素をたくさん取り込むように言われる。危ないので早めに分娩することに。
16:30 分娩室へ。酸素マスクをつけられる。とにかく深呼吸をしてくれという指示。いきみの練習をする。付き添いの夫も着替えて分娩室へ。
16:35 練習で数回いきんだら、一気に赤ちゃんが下りてきたらしい。女性医師が颯爽と登場。更に数回いきむ。痛みは一切ない。落ち着いて深呼吸をしっかり行えた。
16:50 女の子誕生。医師が胎盤の摘出や裂けた部分の縫合など、ものすごい早さで処置。赤ちゃんはお腹の上に乗せて見せてくれた。夫は抱っこさせてもらっていた。
17:00 先生が「この度はおめでとうございます」と笑顔で言い、颯爽と退室。全ての処置が済み、分娩室予備室へ戻る。
17:30 助産師さんが赤ちゃんを分娩予備室に連れてきてくれる。私は麻酔が効いているため腕枕のみ。夫や義両親が赤ちゃんを抱っこ。母子別室の病院のため、赤ちゃんは新生児室へ。
20:00 1時間おきに子宮の戻り具合など内診を受ける。導尿などもされる。問題ないようなので食事が出る。1日ぶりの食事。
21:00 産科病棟へストレッチャーで移動
22:00 麻酔が切れるも、あまり痛くない。看護師さんの付き添いで、自分の足で歩いてトイレへ。
23:00 就寝
感想
無痛分娩と言えど、陣痛は体験します。
私の場合、胎児の心拍が落ちるトラブルがあったので、無痛状態でしっかり深呼吸して酸素を取り込めたのは非常に良かったです。痛いと深呼吸どころではないので…。
産後はわりとスタスタ歩けたので、回復が早いと感じました。とはいえ、途中からお産の進行が急加速した関係で、産道が裂けてしまいましたが…。
先生・助産師・看護師共にみんな優しく丁寧な方ばかりで好印象です。特に担当の助産師Tさんが本当に良い方で...感謝してもしきれないくらい。精神的にもかなり助けられました。
入院生活について
東京衛生病院での入院生活についてもご紹介しますね。個人的な印象は「おっぱい合宿」です(笑)
授乳について
母子別室で、朝5時から夜23時まで、3時間おきに新生児室に授乳に通います(個室の方は、母子同室も可能なようです)。
夜間は新生児室の方がミルクを与えてくれます。希望者は夜間授乳も可能。
母乳主義ということはなく、必要に応じてミルクを足すように言われます。完母希望であれば相談に乗ってくれるようです。
授乳室では、看護師さん(助産師さん?)が授乳指導を行ってくれます。授乳のコツや、胸の張り・痛みへのアドバイスなど、かなり参考になりました。
部屋について
大きくわけて、旧館大部屋・個室と新館大部屋・個室の中から部屋の希望を出せます。
私は新館の大部屋を希望しました。パーテーションで区切られ、スペースも広めの4人入る大部屋です。
プライベートがしっかり確保できるので、かなり良かったと思います。
ただし、ゆっくり休んでいる所、ハウスキーパーの方が飛び込んでくる事が多く休まりません…。
次の授乳時間に備えて仮眠中に「テーブル拭きます!」「ゴミ回収します!」「シーツ替えます!」「床掃除します!」等、かなりの頻度で突然飛び込んできます(^^;)
胸の張りが強く、マッサージを行わないと痛いので、いつハウスキーパーさんが飛び込んでくるか怯えながらマッサージをしてました(笑)
あと、面会時間外にも面会の方が多く来ていて、消灯時間後に子供が騒いでいて眠れないことも。
ゆっくり過ごしたいなら、個室にして面会謝絶がいいでしょう。相談すれば大部屋でもハウスキーピングをスキップしてもらえるかも?
入院生活は指導も多く、ゆっくりする暇がほぼありません。
病院食について
肉や魚が一切出ず、毎食ベジタリアンの方でも食べられるようなメニューが出てきます。肉の代替品としてソイミートなるものが出るのですが、これが結構肉っぽくてすごい。
ヘルシーで、植物性のお出汁がしっかりとってあり、味付けもおいしいです。でも、お肉お魚大好きな私的には物足りなく感じました。
衛生病院前にケバブ屋があるのですが、そういうことか!となりました(笑)
入院患者が無料で利用できる、スイーツバイキングが7Fにあります。荻窪の街並みを眺めながら、ゆっくりケーキやお茶が楽しめました。
キッチンの受付で名乗ると、名簿で名前を照会してお皿やお盆をくれます。
料金について
都内の無痛分娩ができる総合病院としては、安い方です。とはいえ、補助金42万円では足りません。大体35万円~足がでます。
総合病院という安心感、24時間無痛分娩対応、などなどを考慮すれば、都内としては妥当な価格だと感じました。
全体的な感想
入院環境はやや残念でしたが、それ以外はかなり良かったと思います。看護師さんにきついこと言われるとか、そういうことは一切ありませんでした。
また、お産に力を入れている病院という安心感がなによりも大きかったです。
東京衛生病院がある荻窪は、グルメもショッピングも楽しめる場所なので、検診に通うのも楽しみのひとつでした。
次回もあるのならば、またお世話になりたいな~と思います。
持ち物について
東京衛生病院で分娩を決めた方へ、持ち物のアドバイスを…(2018年秋の情報です)
ガウン
指定の持ち物に「ガウン」とあります。なにこれ?って感じですよね。
分娩着は背面丸出しの衣類です。トイレに行く際お尻が丸出しになるので、それを隠すためにガウンを持ってくるように指定されています(笑)
お尻が隠れる丈で前開きなら、ロングカーディガンでも大丈夫。私は授乳口付きのロング丈マタニティパジャマを持ち込みました。
ペットボトルストロー・テニスボール
よく出産時に「役立った」と言われるこれらですが、基本的にいりませんでした。
- ストロー→コップとストローが用意されてる・麻酔中は飲食禁止
- テニスボール→麻酔が効いてるといきみたい感じはない
母乳パット
体質にもよりますが、出産した翌日から母乳が溢れて止まらないなんてことも。
私は買っておいて本当によかった…気づいたらパジャマがびしゃびしゃ。ティッシュじゃ吸収が追い付きません。
なくても必要になれば売店で売っているので、買いに行けます…が。垂れ流しながら、外来患者の多い1Fの売店まで行くのしんどい。ついでに股間も痛いので、遠くてしんどい。
800円くらいだし1袋買っといてもいい気がします。もし使わなかったら、赤ちゃんの胸元に貼れば使い捨てスタイになります。授乳後にけっこう吐くので重宝すると思います。
レンタルリネンどうする?
悪露や母乳ですぐ汚れるので、個人的にはレンタルリネンにしておいて正解でした。タオルやパジャマを数枚持ち込むと、すごい大荷物になるはず。
退院時はいろいろなサンプルや冊子が入ったバッグをもらえるので、更に荷物は増えます。ついでに赤ちゃんも連れ帰るので、荷物の量半端ないです。
アイマスク
部屋や場所にもよるんですが、消灯時間まで電気は消えません。結構まぶしくて、仮眠がとりにくいです。私は顔にハンカチ乗っけてました。
ちなみに、仮眠できないと心身共にマジで辛いです…耳栓とかもあるといいかも…。
院内用のクロックス的なサンダル
授乳室に行くため、結構歩きます。しかも股間痛いです。しかも悪露で汚れたりします。
なので、踵があって脱げにくい、履きやすい、歩きやすい、クロックス的なサンダルがおすすめです。私は324円の安いやつ買いました。
後悔していること
東京衛生病院は、母子別室なんです。だから、生まれたての我が子を写真に収めるタイミングが母子同室よりも少ないです。
新生児室は授乳室以外であれば撮影OKなんですが、他のお母さんたちや、看護師さんがいて、なんとなくカメラを出すのをためらってしまい、たった数枚しかとりませんでした……すごい後悔してます。
生まれたての我が子の姿、後々貴重な写真になります。100回くらい見直すと思います(笑)
もっと、ふにゃふにゃの生まれたての我が子、写真に残しておけばよかったな…。
ぜひ、写真を撮ってくださいね^^